吾唯カブを知る

吾唯足知 スーパーカブのブログ  最近はハンターカブについて書いています

スーパーカブC125のエンジンを分解してみた②

C125のエンジンを分解

さて、今回は前回に引き続きエンジンを分解していきたいと思います。

 

前回のエンジン分解はこちら↓

www.supercub.work

 

 

今回のエンジン分解は腰上だけなんですが、海外生産のエンジンという事もあり樹脂パーツの精度に不安があるのでカムチェーンテンショナー周りもチェックしようと思っています。

なのでLケースカバー、フライホイール周りの分解作業も行います。

 

 

C125のフライホイール取り外し

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どのオートバイもそうですがフライホイールを外すにはフライホイールプラーという専用工具が必要になります。

C125に必要なのはM30×1.5というサイズ。

鉄カブとはサイズが違うため流用出来ません。

巷ではグロム専用サイズなんて言われているようですがこれからは同じエンジンのC125、モンキー125などの需要も増えそうですね。

 

フライホイールを取り外せばカムチェーンテンショナーが見えます。ローラー関係は削れもなく綺麗だったのでそのまま使用する事にしましたがテンショナー先端の樹脂パーツはヘコミが出来ていたので一応新品に交換しました。

 

 

エンジン組み立て

腰上関係の部品を一通り分解チェックしたのでここからはメンテナンスと組み立てをしていきます。

作業に没頭しすぎて写真が全くないのでご了承下さい(^^;)

 

組み立て方は特に変わった事もないので割愛するとして、メンテナンス作業の内容を記載したいとおもいます。

 

面出し

スタッドボルトを取り外してのケース、シリンダー、シリンダーヘッドの各合わせ面の面出し。

面研と言ってしまうと大袈裟になってしまうので面出しと書きました。どうしても各パーツに歪みが生じるのでそれを慣らしてやることで密着性を上げ圧縮抜けを防ぎます。

 

ポートのバリ取り、段合わせ

インジェクターから吸気ポート、排気ポートからエキゾーストパイプへの段差やバリを削り、空気がスムーズに流れるようにします。

ポート穴を拡大してしまうと燃調が変わってしまいFI調整が追いつかなくなってしまう恐れがあるのであくまでも段差をなくす程度で抑えました。

 

バルブ擦り合わせ

今回バルブは交換せずそのまま使用したのでシートカットなどの作業はせずざっとコンパウンドで慣らした程度ですがそれでも当たり面の密着度はかなり良くなりました。コレをするかしないかの差は違いが大きく出そうです。

そう言えばこのエンジン、バルブスプリングがシングルなんですね。しかもすごい柔らかくてビックリ。よくよく考えたら排気量は大きいけど最高回転数は低いからこれでいいのかなと思いつつ、けどバルブ径は大きいよな〜とか思ったり。

フリクションロスの低減化を詰めに詰めてるのかな〜と妄想しながら組んで行きます。

 

ロッカーアーム

そうそう、これ系のエンジンのロッカーアームは吸排気でそれぞれ型番が違うんですって。

組み終わってから知りました…。

私は分解時に吸排気で部品を別々に管理していたものをその通りに戻していたので間違いはないと思うのですが、事前に知っていればどう違うのかを見たかったですね。

 

※追記

再度ヘッド周りをバラす機会があったのでロッカーアームの違いを見てみました。

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左がイン側、右がエキゾースト側

よく見るとそれぞれ刻印がI、Eとされています。

基本形状は全く同じだけどエキゾースト側のには突起が付いていました。

ココがカムのデコンプを押す用に使用されているんですね。

 

当たり出し

シリンダー、シリンダーヘッド、カムシャフト、カムチェーン、カムスプロケットなどを一通り仮組みしたらシリンダーヘッドナット4本をフライホイールを回しながら交互に締めて行きます。全体のパーツがいい位置に収まるように組む事でスムーズに回るエンジンになります。

 

 

エンジン組み立て完成!

あとは元あったように車体に載せて組み上げて出来上がりです。

 

組み上げた直後のエンジン始動時にメーターパネルの異常ランプが点灯しましたが少しアイドリングしたら消灯しました。コネクタ類を色々外したからかな?

 

まとめ

今回交換したパーツは

・ピストンリング

・タペットスクリュー

・カムチェーンテンショナーロッド先端の樹脂パーツ

・腰上のガスケット、パッキン類

 

ということで、海外生産エンジン、走行距離1万kmという状況から想像してたわりにはとてもキレーなエンジン内部でしたのでかかった費用も少なめでした。もちろんこれは個人差があると思いますけど。

 

ちなみに私の場合エンジンオイルの交換サイクルは部分化学合成油時は500km毎。100%化学合成油時で1000km毎と比較的短いサイクルで交換しています。鉱物油は新車時の50km程しか使用していません。

 

 

新車状態でのエンジンの組み立て状況はどこもかしこもオーバートルクで締め上げられているし当たりも悪い印象でした。

これは国産であろうとなかろうとラインで組み立てられているので当たり前ですね…。

逆を言えばちゃんと組み直せばそれだけで良い方向になるという事です(ポジティブ思考)。

 

組み上げ後の慣らしが終わった時にどんな変化があるか楽しみです(^ ^)